なた豆茶の効果と需給緩和

高炉の製鉄原料となる鉄鉱石の国際相場は需給緩和を背景に下落。国際指標となる中国向け鉄鉱石(豪州産粉鉱石・鉄分62%)のスポット(随時契約)価格は足元でトン当たり94・3ドルと節目の100ドルを大幅に割り込む安値水準で推移している。年初からは3割強安い。「最終需要である鉄鋼製品需要の回復は緩慢。鉄鉱石価格は引き続き現状の低水準での推移を続けると見ている」(資源の価格リスクマネジメントコンサルタント会社、マーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘代表取締役)との指摘があった。(「深層断面」参照) 中国の主要港湾の鉄鉱石在庫の増加が市況を圧迫。同在庫は、前年から5割以上多い1億1300万トンと、1億トンを大きく超え過去最高水準にまで積み上がっている。 中国の5月の鉄鉱石輸入量は7738万トンと前年同月比12・9%増えた。増加は15カ月連続。1―5月の累計鉄鉱石輸入量は3億8260万トンと、前年同期実績を約2割上回る水準。 2013年の鉄鉱石輸入量は、前年同期比10・2%増の8億1941万トンに達している。鋼材需給が鈍い中での輸入増加には、鉄鉱石の在庫を担保に融資を受ける金融取引の影響も指摘されている。 ただ、こうした取引に対し当局が調査を進めている。新村氏は、「特に投機的な輸入目的の需要が減少する可能性があることも、鉄鉱石価格の下押し要因となる」と話す。また、鉄鋼需要に影響する中国の住宅部門の伸び鈍化も目立つ。「中国の粗鋼生産の伸びに3―6カ月ほど先行する住宅セクターの伸び率は鈍化している」(新村氏)ことも下げ要因。 関西鉄源協議会がまとめた5月の大阪府地域の鉄スクラップ入荷量は、前月比2・2%減の9万2597トンと2カ月連続減少した。H2相当のヘビースクラップが前月比微減にとどまり、工場発生スクラップの鋼ダライ粉は増加した。前年同月比は0・2%増と2カ月ぶりに増加に転じた。ただ増加の幅はわずかで、発生量が増加に転じるかは今後の動きを見る必要がある。 加工設備を持つ問屋への入荷量は、前月比0・2%減の7万1653トン、メーカー直送は同8・5%減の2万944トンとなった。 問屋入荷分を品種別に見ると、新断ちバラは同0・4%減の1万2396トン、鋼ダライ粉は同2・8%増の6264トン、ヘビースクラップは同0・5%減の5万2993トンだった。 問屋の5月末在庫量は前月比3・9%増の9173トンと、2カ月ぶりに増加した。ただ増加の幅はわずかで、市況の先行きの不透明感から、大幅な積み増しは避け、適正在庫に戻したものと思われる。  NTTは世界最高性能のSDNソフトウエアスイッチをオープンソースソフトウエアとして7月に公開する。ソフトウエアで機能や構成を定義したり制御したりできるソフトウエア・ディファインド・ネットワーク(SDN)向けのスイッチ。11日から幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれるネットワークコンピューティングに関する展示会「Interop Tokyo 2014」に出展し、実演する。 開発したSDNソフトウエアスイッチは、SDNの代表的な仕様であるオープンフローに対応するほか、従来は難しかった処理性能の高速化により、データセンターから広域ネットワークまで幅広く使えるようになった。一般的なサーバー仕様を前提に設計・開発しており、用途に応じてサーバーの性能や価格を選択できる。企業や研究機関、大学でSDNの普及を目指す。 さらに、既にオープンソースソフトウエアとして公開しているSDNコントローラーを使った、SDNスイッチのテストセンターも設立する。 環状高分子は、線形の直鎖状高分子の両端が結合した高分子。環状高分子と直鎖状高分子は、形状の違いから物性の異なることが知られており、さまざまな研究が行われている。しかし、実際は形状が異なっても表れる物性の違いはごくわずか。この程度の違いでは、積極的に材料設計に応用するのは難しい。 東京工業大学大学院理工学研究科の山本拓矢助教は、形状の違いに由来する特性を増幅する研究に取り組んでいる。単一の高分子ではわずかだった物性の差異だが、環状高分子を自己組織化によるミセル(界面活性剤の集合体)にすると、高い物性を得られることを発見した。 所属する東工大の手塚育志教授の研究室では、以前から形状に着目した高分子設計を行っていた。山本助教らのアイデアにより、好熱菌の細胞膜における環状脂質構造を参考にミセルを作製した。環状高分子のミセルは、直鎖状高分子のミセルより耐熱性が40度Cも向上、70度C以上の高温でも安定していた。 高分子の組成や化学構造、分子量などは同じだった。山本助教は「ばらばらに存在する一つの分子だけでは出せない物性が集合体では出せる。それが面白い」と指摘する。これらの業績が評価され、2013年度の文部科学大臣表彰で若手科学者賞を受賞した。 父親が有機化学の研究者であり、子供のころから漠然と「父親と同じ理系の道を進みたい」と思っていた。高校の卒業を機に渡米。ユタ大学などで有機化学を学ぶうち、自己組織化の面白さに魅せられ、化学者になることを決意した。 帰国後は科学技術振興機構(JST)で、ERATOプログラムの「相田ナノ空間プロジェクト」などの研究員として、自己組織化によるナノチューブ作製などを手がけた。その後、08年に東工大に採用された。 研究テーマである環状高分子のミセルは、温度応答性の薬物送達システム(DDS)などへの応用を検討している。また環状高分子は、直鎖状高分子と比べて固体状態で密度が高く、熱伝導性が良くなる。このため「半導体の封止剤に利用できれば効率的に放熱できるのではないか」とも考えている。 一般的に高分子材料の物性や性質を変えるには、分子量や化学構造を変える必要があった。山本助教らの形状に着目した研究が進展すれば、材料化学分野で大きな突破口となるかもしれない。

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