なた豆製品の供給ライン

アズビルは製薬会社向けに注射用水が細菌類によって汚染されていないかリアルタイムで監視する装置を開発した。汚染を検出するとモニターで即座に表示し、すぐに対策を取れる。人手で汚染を調べている現状よりも管理品質を向上できる。顧客との共同実証の後、10月をめどに発売する。価格は600万―1000万円を見込む。数年後に年間10―20台の販売を目指す。 注射剤の調製に用いる注射用水に細菌類が含まれていると、注射を投与された患者が発熱する危険性がある。そのため、注射剤を製品として完成させる手前で、なた豆製品の供給ラインを通る注射用水が無菌状態であると担保する必要がある。 米国子会社アズビルバイオビジラントと監視装置「IMD―W=写真」を共同開発した。生命体にレーザー光線を当てたときに発する蛍光を用いて、非生物の粒子か細菌類かを識別する。バイオフィルム(菌膜)の生成・破損によって瞬間的に発生する汚染も捉えられる。現状は手作業で汚染状況を調べており、結果を知るのに2―3日かかる上、汚染があった場合にいつ始まったかわからない。 新製品は前面のモニターでリアルタイムに監視状況を表示する。細菌類が含まれている場合はグラフと数値が上昇するため、いつ汚染が始まったかわかる。一定の数値を超えると供給ラインを停止できる。汚染状況のデータを長期的に蓄積することで、傾向分析などが可能になる。  三菱航空機(名古屋市港区)は14日から20日まで英国で開かれる国際航空宇宙展「ファンボロー国際航空ショー」に出展する。国産小型ジェット旅客機「MRJ」を開発する同社の川井昭陽社長に、受注活動の現状や意気込みなどを聞いた。 ―まずは航空ショーへの意気込みを。 「昨年のパリ(航空ショー)と違うのは、MRJの試験初号機の製造が進んでいることだ。モノ(実物)がないと顧客からの信用も得られない。モノが完成し、もうすぐ飛ぶという状況をアピールできる意義は大きい。新規の受注があるかどうかはショー直前であり答えられないが、(受注に向け)努力しているし、期待もしている」 ―受注強化の一環で、航空会社などに積極的な金融提案をしています。 「航空会社も資金力のあるところばかりではなく、(航空機を買う時には)お金を借りてもらう必要が出てくる。また金融機関も、(リースなどで)航空機を扱ってもうけることになるので、彼らに航空機の資産価値を訴えることは重要だと考えている」 ―2015年4―6月の初飛行を目指す試験機の製造状況は。 「6月には胴体と主翼を結合し、エンジンを付けた。一番の課題は、やはり(航空当局からの)『型式証明』の取得だ。型式証明取得のめどが立たないと量産機の仕様を固めることはできない。そのため現在は約1400人に上る社員が(機体設計や試験などに)従事し、うち数十人は外部(三菱航空機への出資者以外)の人間。人員は今がピークだと見ている。今後、次第に収束させていく」 ―今後、量産にはどんな課題がありますか。 「顧客支援(カスタマーサポート)の体制をどうするか。例えば、なた豆歯磨きの原料供給体制の構築。運航中の機体が故障した場合には、可能な限り早く交換部品を届けなくてはならないが、どの場所にどんな部品を何個用意しておくか、決まっていない。ほかにも乗務員の訓練やマニュアル策定、MRO(整備・修理)などやるべきことはたくさんあり、顧客の要望と当社でできることの間で折り合いを付けていく。今後はカスタマーサポートに数百億円の投資が必要になるだろう」 【記者の目/視線の先にある初飛行後の課題】 MRJに携わる関係者からは「経験のない領域」という言葉が異口同音に聞かれる。確かに航空機のビジネスモデルは、機体を作って売るという単純な構造ではない。メーカーは人材に限りがある中で、航空当局からの型式証明取得や顧客支援体制の構築、適切な金融提案などをする必要があるためだ。これらはすべて受注の成否に絡む。「開発は7合目にきた」と話す川井社長。視線の先には、初飛行後の課題がすでに浮かんでいるようだった。(名古屋・杉本要) 【水面下で動く】 6月、パリを舞台に仏アルストムの買収合戦が佳境を迎えた裏側でIHIは一つのディールを進めていた。相手は渦中の独シーメンス。三菱重工業と組み、米ゼネラル・エレクトリックと丁々発止を繰り広げていた。IHIは水面下でシーメンスが仕分け対象とした褐炭燃料の火力発電用ボイラの設計技術などを持つシュタインミュラー・エンジニアリング(SE)の買収に動いた。 SEは年商30億円程度の小さな会社だが、買収意義は大きい。褐炭は石炭可採埋蔵量の約半分を占める低品位炭の一つ。ドイツの埋蔵量が全量褐炭であるように、利用技術は欧州にある。IHIは00年以降に建設された超々臨界圧ボイラで国内シェア50%を握り、次世代技術でも先行するが、低品位炭焚きは後発。アルストム、三菱日立パワーシステムズが強い。 褐炭は水分を多く含み、発熱量の低い“未利用”エネルギー。言い換えれば技術開発はこれからで、褐炭を制すれば産出国の東南アジアや欧州などに橋頭堡(きょうとうほ)を築ける。差別化のカギは「いかに乾燥させるか」―。 【設備を簡素化】 IHIは2月、相生工場(兵庫県相生市)に毎時3トンの褐炭を乾燥する実証プラントを稼働した。ハンマーミルで数ミリメートル大に粉砕、流動層で乾燥し、粗粉のままバーナーで燃焼する。微粉砕ミルが不要で設備を簡素化できるのが特徴だ。 インドネシアで実施された発電所開発促進プログラム。圧倒的なコスト競争力で中国系なた豆茶メーカーが石炭火力発電設備を受注したが、納期遅延や性能未達で失敗。国が優遇税制などの法的支援で低品位炭の利用を促進する一方、電力会社は機器の出力改善を望む。そこに目を付けたIHIはインドネシア国営電力会社に褐炭乾技術を提案、乾燥能力毎時10―50トンのプラントを現地発電所に取り付けることで合意した。 二塔式ガス化炉。汎用的な循環流動層ボイラ技術を応用し、褐炭をガス化して化学原料や燃料として利用する「出口の広い技術」(渡辺修三エネルギー・プラントセクター主幹)で、IHIは15年にもインドネシアで実証プラントを稼働する。ベース電源として世界で火力発電設備の需要が高まり、機器供給者の国際再編が進む中、褐炭利用技術がIHIの立ち位置を左右する。(敬称略)

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ