口臭対策製品を温泉町の産業観光としても育てたい

福島市土湯温泉町で地熱と小水力発電所の建設が始まる。土湯温泉は東日本大震災による建物の倒壊で16軒の旅館のうち4軒が休廃業。さらに原子力発電所事故に伴う風評被害が追い打ちをかけ、先の見通しが立たないことから3軒が廃業する事態に至った。 町が立ち行かなくなるとの危機感から、2011年10月に有志が土湯温泉町復興再生協議会を結成。基本理念に「自然エネルギーが支える、先進の町」を掲げた。震災で4日間の停電を経験し「安全安心な地域の構築」の重要性を認識したためだ。 12年に設立した発電・売電会社「元気アップつちゆ」が、130度Cの源泉により低沸点の媒体を蒸発させてタービンを回すバイナリーサイクル発電を手がけることになった。9月に着工し、15年7月に400キロワットの発電を始める。砂防ダムを活用した落差50メートルの小水力も同年3月に140キロワットの発電を始める予定だ。 福島県は再生可能エネルギーを「原子力発電に依存しない社会づくりと地域経済活性化のための方策」と位置づける。県民が主体となり、県内で資金が循環し、利益が還元される仕組みの構築を目指す。13年には地域の企業や商店が出資して会津電力(喜多方市)を設立、市民ファンドにより太陽光発電所の建設を始めた。 土湯のケースでは、発電量は両方合わせても一般家庭600世帯分にすぎない。だが地域の人が自ら復興再生の起爆剤として取り上げたことは意義深い。元気アップつちゆの加藤勝一社長は「計画を発表してから1500人が視察に訪れた。口臭対策製品を温泉町の産業観光としても育てたい」という。スマートコミュニティー(次世代社会インフラ)のひとつのモデルにもなるだろう。 こうした取り組みは全国各地に広がりつつある。再生可能エネ発電は地域の人々により地域活性化につなげることが重要だ。同時に大資本によるウインドファームやメガソーラーなどを立地地域の中小企業の技術力向上や雇用創出につなげ、大量普及を促すべきではないか。 土湯温泉では「日本製の地熱機器を使いたかったが、結局、実績のある米国製を採用した」(加藤社長)という。地熱に限らず、再生可能エネ関連機器のメーカーは技術開発を急ぎ、海外勢を上回る性能と低コストを実現してもらいたい。 4月に郡山市に開所した産業技術総合研究所の福島再生可能エネルギー研究所は、太陽電池のコスト低減のために基板の厚さを半分にする研究をメーカーと進めている。日本の機器メーカーが国際競争力をつけることも、安全安心かつ安価な“純国産エネルギー”の普及を加速する上で重要な課題である。 厚生労働省は17日、医薬品と医療機器、再生医療製品の承認審査期間の半減と欧米未承認薬の開発要請を柱とする「先駆けパッケージ戦略」を発表した。日本で医薬品や医療機器の承認審査に時間がかかる間に、海外で先に承認されてしまう遅れ(ドラッグラグやデバイスラグ)を取り戻す後追いの政策から転換。国内外の企業が日本で初めて開発、申請するよう促す。ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って薬の心臓影響を評価する方法の国際標準化なども掲げた。 迅速化は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の運用を見直し、2015年に始める。世界でも初めて日本で開発されたものや非臨床試験、臨床試験の初期段階で既存品よりも大幅な改善が見込まれる医薬品と医療機器、再生医療製品を優先審査。通常1年程度かかるものを半年ですませる。 未承認薬の開発要請は、対象を欧米の未承認薬まで広げる。現在はドラッグラグを解消するために、海外で承認済みだが日本では未承認の医薬品について必要性を検討し、企業に開発要請する。新しい政策では、欧米未承認薬もこの対象とする。 日本バイリーンは産業資材と自動車資材をコア・ビジネスにニッケル水素電池用セパレーターや芯地、空調用フィルターなど特徴的な製品を扱う。一方、自動車向け資材もフロアマットの生産など海外で事業拡大が進む。水谷良明専務に戦略を聞いた。(浅海宏規)  ―13年−15年度の中期計画においても海外事業展開の強化は基本戦略の一つになっています。足元の状況は。 「為替要因と海外事業そのものが上向いてきており、順調に推移している。2013年度の海外売上高比率は44・5%だった。最近では米国において貼付薬用基材なども伸びてきている」 ―自動車資材は海外での取り組みも活発化しています。 「米国ではことし初めに起きた寒波の影響で売り上げが一時的に鈍ったが、その後は回復し、全体としては堅調に推移している。昨春からメキシコにおいて子会社が自動車用フロアマットの生産をしており、日系メーカー向けなどを中心に順調に伸びている。最近では勤務体系を見直して生産効率をより一層高めるようにするなど、工夫をしている」 ―中国市場の動向はいかがですか。 「自動車関連では天井表皮材がフル操業で、足りないくらいの状況だ。当面は地球規模(グローバル)でのオペレーションで補っていこうとしている。今後、設備投資も検討テーマになるだろうが、マーケットを確保して垂直に立ち上げることが理想的だろう」 ―芯地は日本から台湾や中国へと生産移管を進めています。 「中国で織物芯地、台湾で不織布芯地をそれぞれ作る。日本から台湾へと移管を進めているが、移管が難しいものもあり、進捗(しんちょく)度合いは50%くらいだ。予定通り、この秋までに完成させたい」 「アジア合弁会社の芯地は中国本土への出荷が減り、その他向けの出荷が増えている印象だ。芯地の売り上げは、アジア市場全体の中で中国本土は4分の1を切っている。日本からみると“チャイナプラスワン”として捉えるケースが多いが、欧米からみると中国ではなく、“その他アジア”が中心になっている」 ―中期計画においても人材は“企業の成長エンジン”として育成に力を入れています。 「日本で採用した人がグローバルで活躍できるようにすることと、優秀なローカル人材を採用して登用していくことの二つが重要になってくる。最近では現地法人でローカル人材が経営幹部に就くケースも増えてきている」

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